大切なもの

花梨の手を握って、

俺は歩き出した。


べ、別に誰も見てねぇんだから、

いいだろ??


「えへへ…♪」


な???

やっぱ、この反応も可愛い。

花梨は、嬉しそうにつないだ手を見ている。

そして、ニコニコとしたまま、


俺に視線を合わせた。


なんだか、花梨がすごい小さい子に見える。

恋人、よりも、

もっと、近い存在になりたいな。


結婚とか、考えられる歳じゃない。

でも、ずっと一緒にいたいって、

思ったんだ。


「びっくり、すんなよ??」


ちょっと、悪い子のすることだけど、

俺は、まぁ、いい子ではねぇな。


学校に、ゲームは持って来ちゃいけない。

もちろん、携帯も、駄目だ。


音楽プレイヤーも。



でも、そんなものが全部そろってる場所があるんだ。


俺の作った、

サボりの補習室。




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