【短】籠の中の小鳥
「僕、ちょっと部屋出るから。好きなように過ごしてていいよ。」
今だけ、君を解放してあげるね。
僕がいるから、そんな強気でいるんでしょ?
本当は泣きたいくせにさ。
だから僕は少しの間消えてあげる。
これからは、いつでも会えるしね。
だから素直になって?
思いっきり泣けばいい。
悲しめばいい、恐怖に染まればいい。
そんな君を目の前で見れないのはかなり残念だけど。
今だけは我慢してあげるから。
「あ、そこに置いてある飲み物は飲んでもいいからね。」
その言葉を最後に、僕は彼女の部屋から出た。