笑顔
『俺は真剣やから。
かおりが派遣で来てからずっと思ってた。
直ぐには無理でも気持ちが落ち着いて俺を見てくれるまで待つから!』

「……ありがと」

私はこれしか言えなかった。

気持ちに答えてあげれない事が切なかった。

2つだけ約束してと言われた。

1つは無理にショウ君を忘れようとしない事。

2つ目は純ちゃんに気が向いたら【純一】と呼ぶ事。

純一と呼ばれたら再度告白したいからって。

でも、この日以降から一緒に食事したり映画に行ったり、お互いの家を行き来し泊まったりはしたが【付き合う】とか、肌を重ねたりキスをしたりとかいう事はしなかった。

付き合う寸前の距離を保っていた。
< 114 / 230 >

この作品をシェア

pagetop