【短】ハッピーバレンタイン
放課後になって帰ろうとしたとき、急に腕を引っ張られた
「吉野さん!?」
吉野さんは春川さんの友達で、普段なら絶対こんなことをしないような人だったはず
おとなしくて、優しい女の子だと思ってたんだけど・・・
連れて行かれたのは体育館の裏で、告白みたいな場面だけど、そうじゃないって思うのは吉野さんの顔が怖いからなのかもしれない
「吉野さん・・・、どうしたの?」
「・・・・・・・・・」
「うーん。落ち着いたら話してね」
これは長期戦になるかもしれないと、石段に座り込んで待つことに決めた
吉野さんは極度の人見知りで、普段なら男の子に自分から話したりしない子で
これまた奇跡としか言えないことだと思う
しばらく時間が経って、
「・・・野呂くん」
「っはい!」
いけない、いけない
ぼうっとしすぎて、違う世界にいっていたみたい
慌てて意識を呼び戻すと、吉野さんを見上げた
「チョコなんだけど…」
「へ?あっ、罰ゲームだって聞いたよ」
わざわざそんなことを言うために呼び出したんだろうか…
「うんっ。野呂くんはどう思った?」
なんて、仰天なことを口にした
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