いつか、また会える日まで。


ゴロゴロゴロゴロ


転がしているキャリーバックの音がどうしても気になる。

もともといらないところで神経質だった私は

その音が許せなかった。

「・・・仕方ないか。」

とりあえずキャリーバックを肩に担いだ。

ショルダーもついていたので

問題はないし、中身も大して入っていない。

父が、日本についたら、洋服類・教材・生活用品は

自分で買いなさいと資金を渡されているため、

必要最低限のものしかもっていない。

逆を言うと、大金を持ちすぎて税関ゲートで止められたくらいだ。

何とか5番ゲート付近まで到着した。

なれない人ごみのなかあたりをきょろきょろと見る。

人の流れはまるで鰯の大群のようで

めまぐるしい動きをしている。

なんだか周りからの視線が痛い。

「・・・何。」

思いながらもさすがに問いただせない。

すると大きな看板に

『5番ゲート』

という文字が書かれている。

私は肩に背負っていたキャリーバックをおろした。

少し痛んだが仕方ない。

そのままうるさいゴロゴロとした音を無視して

さらにゲートに近づく。

すると特徴に似た女の子がたっている。

きょろきょろと誰かを探すような感じだ。

もしかしてあの子かな。

そう思いながらも話しかけない。

だって恥ずかしいもの。

するとこちらに気がついたのか

手を振りながら名前を叫びだした。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop