お人形
お人形
お人形
お空が黄色く曇った日。
あたしのお家に
小包みが届いたの。
開けてみると、
お人形が入ってた。
そのお人形は、
顔中に傷や引きつったような縫い跡がある、
不気味なもの。
気持ち悪いから
すぐに捨てちゃった。
でもね、
捨てたはずなのにお部屋に戻ると
お人形が座ってたの。
その日から、
お人形は夜な夜な
あたしを襲いにくるの。
お人形はあたしの顔に、
同じような傷を付けたり、顔を縫ったり…。
捨てても捨てても
お人形はお部屋に戻ってくるの。
そしてあたしの顔は、
お人形のように、
傷が増え、引きつり、
どんどん不気味になってく。
とっても恐くなったあたしは、
ハサミで人形をズタズタに
切り裂いた。
「これでお人形に襲われなくてすむわ。」
って安心した反面、
ふと、恐ろしい事が頭によぎる。
今夜、
あたしはこの人形のように
ズタズタに切り裂かれるんじゃないか…って。