パフュームに繋がれて-2人の賭けゴト-
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「亜朱実ー、何で言わないワケ?」
「分かってるハズだから」
ある日の退社後、同期の紗枝(サエ)と馴染みのカフェに寄って。
うーん…と渋い顔をする彼女の表情を見つつ、温かいカフェラテを飲む私。
「まぁ、課長が鋭いコトは私も分かってるけど。
まだ信用出来ないトコでもあるの?」
「そんなんじゃナイけど…」
コトリと、カップをソーサーにゆっくり置けば曖昧に笑みを浮かべた。
「それなら!いい加減に甘えてたらダメよ。
きちんと言わなきゃ、身体だけ正直なんてさ…!
あんなイイ男、もう絶対に見つからないからね?」
「・・・そういう問題?」
「重要でしょうよ!
あんなに愛してくれる人なんか、そうイナイと思うし。
優しいけど、ちょっとミステリアスなトコもあって…最高じゃない?」
「なんか…、論点ズレてるけど」
そう?なんて笑ってしまう彼女に、溜め息をつくしかナイわ。
正論でズバリと指摘されては、何も言い返せなかった・・・