パフュームに繋がれて-2人の賭けゴト-
アレコレ思案するのもムダなくらい、“前進”を恐れているのかもね・・・
「どうした、ボーっとして?」
2年前を自分で掘り起こしてみれば、ズキッと鈍い痛みが再発する。
未だ忘れられない…、ソレなのに・・・
柔らかい表情を向けられると、胸の疼きが止まらナイ矛盾。
「…え?そ、それよりも!
どうして今日は早かったんですか?
確か、夕方から出掛けてましたよね…」
慌てて頭を振ると、誤魔化すように話をムリに変えてしまった。
不意にドキッとしてしまうのは、惚れた弱みだと理解してるから…――
「あぁ、前の会社のヤツと会ってたんだ。
近くまで来るって連絡きたから、近況報告がてら…」
ウーロン茶を飲みながら、平然と答えてくれるけど。
私の不自然すぎる態度を咎めないのは、やっぱり課長らしい。
その優しさに、寄り掛かっているだけなのに…――