パフュームに繋がれて-2人の賭けゴト-
そのあとで運ばれて来た絶品の筈のパスタは、何にも味がしなくて。
ただ愛想笑いを浮かべて、やり過ごしてしまう自分に呆れてしまう。
“好き”という、ただその一フレーズを伝える事が難しいなんて…。
―――――――――――…
「それじゃあ、お先に失礼します」
それから2日後・・・
今日も定時上がりな私は、片付けてから周りにヒト声掛けた。
「コラ、亭主も一緒に連れて帰れ!
仕事・プレッシャー・プラス澤田のせいで、俺は三重苦だっての…!」
すると大手との取引に奔走している、2期上の先輩に呼び止められて。
「近藤さん、なに言ってるんですか」
どう考えても八つ当たりな発言を前に、ワザと溜め息をついた。