パフュームに繋がれて-2人の賭けゴト-
公認だなんて、おこがましい発言だね――…
私は彼が差し出してくれた手を取って、周りのプッシュに押されて。
自分では何もしないまま、のうのうと生きているだけで。
課長が好きなのに…、未だすべてを預けられないサイテーな女だから。
もういい加減、いつも与えてくれる彼に言葉で伝えなきゃいけない。
立ち止まったままで居続けた2年間より、どれほど今が幸せなのか。
そんな今までへの感謝と、着実に育まれている自分の気持ちを・・・
駆け巡るモノを思案していると、その度に北風が頬を撫でていく。
まだまだ寒いとはいえ、少しずつ春の芽吹きを感じさせる感触が心地良くて。
彼と生活を続けているマンションまでの足取りが、何処か軽快にさせるから。
何となく、私の背中を押してくれているようだ・・・