パフュームに繋がれて-2人の賭けゴト-
だけど取り巻く感情は、決してムカついたりとかではなく。
もっと色んな彼の面を知りたいとか、そんな欲求に変遷するだけで。
何て言うか…、探究心をくすぐる事が上手いオトコだ――…
「アスミが好きだから」
こうしてサラリと、私が言えない甘いフレーズを齎した挙句。
乱れているであろう髪を梳くように撫でて、突然にクールな面持ちに変わるから。
「い、いきなり真顔にならないで下さいよ…、もう!」
赤らんでいるであろう頬を隠そうと、パッと視線を外して言い返したのに。
「不意打ちに弱いトコを突くのは、俺の得意技だし」
そんな自信家な言葉とともに、背後からギュッと抱き寄せられてしまっては。
「し、知りません――」
「よく言うよ」
「っ・・・」
シーツという武器を纏った身でも、反撃する気力が失せてしまう。