ずっと君の側で





そして資料を渡すと、ごめんねーって申し訳なさそうに両手を合わせる。




「では、これで失礼しま…」




振り返りながら言おうとした瞬間、あたしの目の前の扉が開いた。




中に入って来たある姿に、思わず口が止まった。




保健室には先生しかいなくて正直ホッとしたのに。




「あ…」




「悠里…くん」




ばっちり目が合って視線をずらそうにもずらせなかった。




また首元にキズが出来てる…




それとこの前の口元にケガしたのも、またキズ口が開いてる。




どうしてあたしの事を聞いてくれないの?




「天草くん、何回ケガするつもり?」




先生も半分お怒りの様子で悠里くんにたずねる。




あたしから目を離した悠里くんはあたしをすり抜けて黒いソファに座った。




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