ずっと君の側で





あたしはただの部外者なのに、何で呼び止められたのかも分かんない。




「治療、しろよ」




命令口調で言われても…けど悠里くんの事だからプライドもあるのかな。




断わって早く保健室から出て行こうとしたけど…あたしは小さく頷いてしまった。




自分は何考えてるのか分からない。




けど悲しそうな悠里くんを見ると、放っておけないの。




「首元…見せてください」




この前と同じように消毒等を持ってきてソファに座らせる。




「ん」




首元を強調させるように悠里くんは天井を見上げた。




ドキドキする自分が恥ずかしい……別に何もないのに、悠里くんの色気っぽさに圧倒させられる。




テキパキとし終わって、よし。と自分に言うとまたこの前みたいに頭をポンポンと撫でてくれた。




「お礼」




前と同じはにかんだ笑顔に、さっきとはまるで別人。




< 21 / 72 >

この作品をシェア

pagetop