ずっと君の側で
前の日とは少し優しくなった気がする、悠里くんの態度。
すぐ不機嫌になって荒れっぽくなるけど、優しいとこもある。
子供みたいにワガママ言ったり、褒めると照れたり。
頭を撫でてくれる手も大きくて優しい。
「ん…サンキュー」
「もう…しませんからね」
俯いてあたしは最後の忠告をした。
そんな笑顔向けられても、許す気持ちにはなれないもん。
そしてふと気づいたのが、上着のシミは見事に消えていた。
「あー、制服?この前保健室来た時に乾いてたから」
「そっかぁ…シミついてなくて良かったです」
と、フフッと微笑むとまたポンポンと二回頭を撫でられる。
今度は意味が分からず首を傾げると、優しい笑顔で
「上着のお礼」
と言ってくれた。