ずっと君の側で
けどそれは特別感情を持ったからではない。
ただお礼が言いたいだけ…
「あの…選択の時ありがとうございました。助かりました」
頭を深く下げて、あたしは感謝した。
悠里くんはどんな反応をしているか分かんないけど、ちゃんとお礼は言わなきゃ。
「ん、俺何もしてねーけど…」
「助けてくれたじゃないですか!それで…お礼がしたくて来ちゃいました」
顔を上げた時には悠里くんはあたしの目の前に立っていた。
今度はあたしが助けてもらったんだから、悠里くんの頭を撫でようと背伸びしてみた。
「んっ……」
背伸びしても、ピョンピョン跳ねても届かない悠里くんの頭。
こんなに身長差あったんだー…と思い知らされた。
頭を撫でようとするあたしに勘付いたのか、フッと微笑んだ悠里くん。
「何で笑うんですかぁっ」