ずっと君の側で
いつまで耳を澄ましても、一向に悠里くんの声は聞こえてこない。
もしかして迷ってるの?
「分かった。決まったら返事ちょうだいね」
友紀さんはハァとため息つきながら保健室を出て行った。
何も答えなかった悠里くん…やっぱり好きなの?
好きでもなく、嫌いでもない。
そんな友紀さんに迷ってるの??
あたしははっきり分かったよ…自分の気持ち。
ギシッ
寝返りをしようとしたら、ベットが音を出した。
やばいっ、見つかっちゃう…
思わず寝たフリをすると、悠里くんはカーテンを開けてあたしに気づいた。
「…すー…すー…」
規則正しい寝息をたたせて、何も考えずにただ演技する。