ずっと君の側で
「今まで3年には絡まれた事なかったんだけど、天草先輩が先輩達を睨んだせいで連れていかれたんだって!!!」
どうして?何で悠里くんがそんな睨んだり…するはずないでしょ?
美穂と同じく悠里くんのファンは皆ザワついた様子だった。
窓から見える体育館を覗いた。
人気がない…誰も近寄ってもいないんだ。
3年には皆手を出せないから…助けも来ないって事?
悠里くんは今頃…
「ごめんっ、あたし行って来る!」
「ちょっと桃?!」
カバンを放り投げたあたしは、すぐに教室を飛び出した。
急いで階段を下りて体育館裏へと続く中庭を走る。
息が切れても気にしない。
つまづいて転びそうになっても、無心に走った。