ずっと君の側で
走って、走って、走って。
やっとたどり着いた体育館から聞こえて来たのは、笑い声と叫び声。
「もう立てねーのかよ、つまんねぇー」
「ケンカを買ってやったんだぜ?お礼しろよなぁー」
先輩達はケラケラ笑いながら壁にもたれて崩れている悠里くんを蹴っている。
「や、やめてくださいっっ!」
これ以上暴力を振ると悠里くんが危ないと思い、思わず陰から飛び出した。
こんな悠里くん見たくないよ…
今までケンカ強かったんでしょう?
誰にも負けた事なかったんでしょう?
こんな先輩達になんか…負けないで。
「あぁ?何だよ1年か?」
「悠里くんを…解放してあげてください」
「生意気な言い草だな?彼女か何かかよ、笑える」