ずっと君の側で
階段を上がって、一番端の教室が選択の教室。
ガラ…
ゆっくり扉を開けると、まだ授業には早いので人があまり集まっていなかった。
悠里くんも……いないよね?
無意識にキョロキョロ辺りを見渡すあたし。
美穂も勘付いて探してくれた。
「あ、いたよ!窓際の一番後ろっ」
美穂の声にあたしは窓際に視線を寄せる。
…いた。
一瞬見ただけではよく分からなかった。
…髪染めちゃったんだ。
きれいだった黒髪は、見事に茶色に変わっていて、似合っているけど…何だか寂しく感じた。
悠里くんはあんな雰囲気じゃないのに。