ずっと君の側で
偶然悠里くんは扉の方に視線が行き、あたしと目が合った。
だけど笑顔も向けてくれなくなった。
すぐに目をそらされて、女子達と笑いながら話題に盛り上がっている。
笑ってくれたら、笑い返そうと一瞬考えたあたしがバカだ。
もしかしたらあたしの事、忘れちゃったのかな。
それなら無理ないよね。
赤の他人と目が合って普通笑顔作らないもんね。
「はぁー…もう席着こ?」
「あ、うん」
大きなため息をしたあたしは、指定された席に二人並んで座った。
悠里くんの席と少し近い距離…気まずい。
でもあたしの方が前の席だから、悠里くんの姿が見えないのが幸いだ。
「えー、すげぇ。今度連れてってよ」
「うん♪悠里の為なら連れてくよぉ~」