ずっと君の側で





言われた通り、あたしは軽く悠里くんにボールを投げた。




上手く届いたボールは見事キャッチして悠里くんは初めて笑顔を作った。




…笑ってくれた。




"ご・め・ん"




悠里くんは口パクでそう言った。それははっきり分かった。




ごめん……何を?




ボールを頭に当てちゃった謝罪?




それとも…




あたしはクルンと元の姿勢に戻して前を向いた。




…もう、分かんないよ。




授業が終わり、自分の教室に戻った時、あたしは美穂にその事を話した。




「…う~ん」




美穂も意味が分からず腕を組んで首を傾げる。




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