ずっと君の側で
「じゃぁ悠里くんは放課後いないんですね」
「うーん…この前見かけたけど、校門で悠里くんと女の子が一緒に歩いて帰ってたわ」
その時、何かがピキッてヒビが入った感じがした。
崩れそうな気持ちで、耐え切れない程苦しくなった。
「それ…誰ですかね?」
「さぁ…後姿だったし、遠目だったから分からなかったけど。でも手繋いでたのは確かだったわね…あ、さっきも下駄箱で二人を見たわよ?」
「……行ってきますっ!!!!」
先生が言った瞬間、あたしは即座に保健室を出た。
今なら間に合うかも知れない…一目でも悠里くんを見れるかも知れない。
下駄箱まで走ったが、さすがにもういなくて上靴のまま外に飛び出した。
校門に向かって全力で走る。
いないかも知れない、けど……もしかしたら。
あの、"ご・め・ん"の意味を聞きたくて。