君に捧げる愛
「喋ってもいいなら・・・喋れる範囲で言って。
俺・・・何でも受け入れるし、相談にのるからさ」
俺は百合に言った。
今でも抱きしめてあげたいのに・・・無理なんだ。
勇気がない。
俺はずっと百合の手を握っていた。
ずっと震えていた百合を温めてあげた。



そうして、百合は口を開いて話した。




「ねぇ・・・今から言うことで・・・
あたしのこと嫌いに・・・ならないでね・・・」
百合が突然、そんなことを言い出した。
「え・・・?」
俺はどうしたらいいかわからないまま、
話を聞いた。




「あたし・・・ね・・・小さい頃から両親いないの・・・
お兄ちゃんいたんだけど・・・
お兄ちゃんもいなくなった・・・いい人だったのに・・・
犯罪犯して自殺した・・・。
あたし1人になった・・・そんな時・・・
ある人に声をかけてもらったの・・・その人ね、
とってもいい人だった・・・
それであたし好きになって付き合ったの・・・
一緒に暮らしてた。
でもね、彼・・・浮気がっかりで・・・やめてって言ったのに
やめてくれなかった。だけど・・・好きだから別れなかったのに・・・
彼から別れようって・・・言ってきたの・・・
もう・・・いやなの・・・忘れたいのに忘れられなかった・・・」
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