君に捧げる愛
野原へ向かった。



「やっぱり変わらないなぁ・・・」
俺は笑いながら呟いた。
変わらないことが嬉しかった。
1人だと思ったけど、人がいたのに気付いた。
女性の後ろ姿だ・・・。
そんな後ろ姿が・・・百合にそっくりだった。
もしかしたら・・・なんて期待をする。
近づくと、美紀だった。
今日会ったばかりなのに名前をすぐに覚えている。
まるで百合かのように・・・。






「美紀ちゃん・・・?」
俺は名前を呼んだ。
だけど、答えてはくれなかった。
聞こえるのは・・・泣いてる声と鼻をすする音だけだった。

そんな光景を見ると、
あの頃も百合はそうやって泣いてたっけ?
なんて思い出す。
< 47 / 159 >

この作品をシェア

pagetop