君に捧げる愛
そして・・・






「別れたの・・・」
美紀が口を開いて言った。
「え・・・?」
あの頃も百合は「別れた」と言ってたっけ?




「彼氏・・・ね・・・
最初っから付き合ってないって・・・言われた・・・
ひどいよね・・・笑っちゃうよね・・・
笑ってもいいんだよ・・・」
美紀は無理に笑って言った。
そんな美紀を百合と重ね合わせるかのように
美紀を抱きしめた。
美紀もギュッと俺を抱きしめてくれた。



その時間、ずっとこのままでいたい。
そう思った。
抱きしめる美紀の匂いは百合とは違ったけど、
なんだか心地いい。
その時間はあっという間に終わった。
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