20せんちっ!
「ん~とねー…確か、篠山 柑汰(シノヤマ カンタ)君だよ。
陽歌、知らなかったの?」
「おぅ。
誰だそれ?」
「ん~…と、言いにくいんだけど……。」
何だ?
「? 取りあえず言ってみろよ。」
「それが…「キャァァァァァァァー柑汰様ぁぁぁぁあっ!」
入学式の会場の講堂に女子の悲鳴(?)が響く。
「ほら、陽歌。
あそこで女子に取り囲まれてるのが篠山 柑汰君。
多分、女子で知らないの陽歌だけだよ?」
まじか!?
「しかも…………背が……ねぇ?」
「背が何だよ?」
「……ゃいの。」
「え?」
「だーからっ!
背がすごくちっちゃくて、チビ王子って呼ばれてる…。」
おいおいおい。
どういうことだよそれ…。
「そうなると、挨拶の時に陽歌と篠山君が並ぶから…。」
「あたしのデカい身長がやたら目立つと?」
「うん…。」
あたしの身長はこれまで16年間で成長しすぎたのか、175cmになってしまったのだ。
嘘だろ!?
でも…ッ!
「篠山ッてやつ、身長何cmなんだよ?」
「それが…
155cmらしいの…。」
「はぁぁぁあぁぁ!?」