ラバーズキス
なんだろう?どうしてアツシを思い出したんだろう。
「ん~…」
言葉につまっていると、
「気になるんだ?」
気になる…。そうなのかな。たった一度しか会ったことはないけど、あの日あたしはアツシのことを知りたいと思った。元カノのことをあんなふうに話すアツシを、ストレートでいいなぁと思った。
「もしかしたら、気に入ってるのかな…」
ぼそっとつぶやくあたしにセイジは、
「いいじゃん。そういう人がいるだけでいいんだよ」
そう思える人がいるだけで幸せだよと、セイジは笑った。
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