ラバーズキス
車を運転してきたアツシがお酒を飲んだから、和希が変わりに運転することになった。バイクはお店に置かせてもらえた。あたしとエミナと大哉は3人で後ろに乗った。
助手席のアツシは後ろ向きに座って、シートにもたれかかっていた。
「アツシ、前向いて座ったら?危ないよ」
和希が呆れたように何度も言ったけれど、アツシは後ろを向いたままだった。
みんなで喋っていると、あっという間にあたしの大学前に着いた。
「和希くん、今日はありがとう。おかげで、久しぶりにエミナと会えたよ」
あたしは和希にお礼を言って車を降りた。
「和希、りんに電話してやって。エミナが「りん元気かな~」ってうるさいからさ」
大哉が言うと、和希が
「またゴハンに行こうね。電話するから」
と、あたしに言った。
「うん、行こうね」
あたしも言って、みんなと別れた。


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