ラバーズキス
あたし達の関係はその日から微妙に変わっていった。

アツシは彼女とのことをあたしに隠さなくなっていった。和希には「俺のものだから」と言ってあたしの肩を抱き寄せたりするようになった。
そして週末は、土曜日の夜からずっと一緒に過ごすようになった。


それでもアツシはあたしには手を出したりしなかった。お酒を呑んだり喋ったりして過ごし、アツシの腕の中で眠る。
ただ、プラチナの指輪が肌に触れると冷たくて、アツシはあたしのものじゃないって思い知らされる。
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