ラバーズキス
「りん、ごめん。ごめんな」
アツシがそう言ってあたしを助手席のシートごと抱き締めた。首にまわされたアツシの腕の暖かさにあたしは涙が止まらなかった。
「だから、ダメだって…りんちゃんが泣いちゃったらアツシがまた戻っちゃうから…」
和希がため息をついて「連れてきたのが間違ってた」と言い、それきり黙ってしまった。
車の中にはあたしのすすり泣く声だけが広がった。
アツシがそっと後ろからあたしの首にキスをした。
そして、
「もう泣くな」
と、腕に力を入れた。
「泣かなくていいから」
アツシはハッキリとした口調で言い、あたしの頭を撫でた。
アツシは腕をほどくと、
「和希、こいつ送ってやって」
と言って、車から降りた。あたしは窓の外にいるアツシを見た。アツシは微笑んで窓を開けるゼスチャーをした。開けた窓からはひんやりとした秋の空気が、花の香をまとって車の中に広がった。
「今日は遅いから、和希に送ってもらえ。電話するから、ちゃんと飯食って、学校も行けよ」
アツシはあたしの頭を撫でながらそう言った。
「来てくれて、ありがとう」
そう言うとアツシは車から離れて、手をあげた。
アツシがそう言ってあたしを助手席のシートごと抱き締めた。首にまわされたアツシの腕の暖かさにあたしは涙が止まらなかった。
「だから、ダメだって…りんちゃんが泣いちゃったらアツシがまた戻っちゃうから…」
和希がため息をついて「連れてきたのが間違ってた」と言い、それきり黙ってしまった。
車の中にはあたしのすすり泣く声だけが広がった。
アツシがそっと後ろからあたしの首にキスをした。
そして、
「もう泣くな」
と、腕に力を入れた。
「泣かなくていいから」
アツシはハッキリとした口調で言い、あたしの頭を撫でた。
アツシは腕をほどくと、
「和希、こいつ送ってやって」
と言って、車から降りた。あたしは窓の外にいるアツシを見た。アツシは微笑んで窓を開けるゼスチャーをした。開けた窓からはひんやりとした秋の空気が、花の香をまとって車の中に広がった。
「今日は遅いから、和希に送ってもらえ。電話するから、ちゃんと飯食って、学校も行けよ」
アツシはあたしの頭を撫でながらそう言った。
「来てくれて、ありがとう」
そう言うとアツシは車から離れて、手をあげた。