無力な国のアリス
私は幼い頃に父と母を亡くして…いて………


父は…絶対に死んだ。
死体を見たから。

母は………

母……は…


消えてしまった。



きっともう…死んじゃった…よね…?






―――ピンポーン―ピンポーン

嘉穂がきたようだ。


「はーい!」
お母さんがドアを開けた。

二人目のお母さん。


「音埼嘉穂です。礼茄ちゃんのお見舞いできました!」

「あら嘉穂ちゃん!ありがとね。どうぞ、入って入って!」


ガチャ


二人とも声がでかい。

二階でもまるぎこえだ。


トントン
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