月と太陽



「正解!よく分かったね!」


邪魔な黒い布が除けられて。
アノ景色に負けない、
太陽のよーな屈託のない笑顔が眼に映って。



思わず。
安心してしまう....なんて。




「てゆーかッ月runaダメじゃん!
 いつも言ってるでしょーが!
 風邪ひくから厚着しろって!
 ほれ、ジャージ。
 貸したるから今度はちゃぁーんと、
 厚着しろよ?」




笑い方も、喋り方も。
私よりも子供っぽい癖に。
何よ?子供扱い?





そー不満に思って言い返そうとしても
あんなに、ほら。
あの陽の笑い方が。
太陽みたいに明るいから。
・・・・駄目。
ほら、やっぱり私って
陽の笑い顔には弱い、じゃない?
文句の一つも言えずに





「・・・・ありがと」





なんて柄にもなく言えてしまうの。
いまだ【ごめんなさい】は言えないけど、
唯一陽には。
【ありがとう】が言える。





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