killer
 それから時間は更に過ぎていった。高速道路がすいていた分、早く目的地につくらしい。ツアーコンダクターの唯一のマイクを通してでの言葉だった。
 途中、昼食のために一旦高速道路をおりた。十分くらいすると、バスがとあるレストランの駐車場にはいった。バスがとまってドアが開く。恐る恐るおりてみると、やはり外は地獄のようだった。蒸し暑くて、一気に汗がふきでてくる。
 高級そうな外見のレストラン。はいってみると、冷房がきいていて涼しかった。亮祐は周りをキョロキョロと見回す。「うわ、高そー……」という彼の呟きが、裕也の耳に届いた。
「どうぞこちらへ」
 案内されたところは、いたって普通のテーブル。四人ずつで座っていくらしい。ツアーコンダクターと運転手をいれたら、ぴったり揃うはずだという。そんな説明を受けている間に、裕也たち四人はどかっと最初の席に座った。変に他の人にバラバラになられても困るし、何より気まずい。適当にほかの人が席へついたあとの、重苦しい雰囲気が正直うっとうしかった。
「食事の内容決まってるって」
「やった、アイスついてるぞ! しかもメロンシャーベットとか最高じゃん!」
「えっ嘘! ホントじゃん、やったね!」
 亮祐と桃が盛り上がる中で、裕也と香苗は水を飲んで待っていた。四人グループの中でも比較的落ち着いている二人。とりあえずメニューを見て、内心わくわくしながらも食事を待った。
 それから十分くらいあとにとどけられた食事に、彼らは目を輝かせてくらいついていた。
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