キミワタシ
fifth→色
次の日も、彼は扉の前で座り込んで待ってた。
……ちゃんと教室で挨拶してきてんの?
美術室の中に入って私は準備を始める。
いつもは一人のが楽だから一人で作業するけど、別にアイハラソウタがいて嫌な気はしない。
むしろいつもより楽。
普段は全く着崩していない制服を。
腕まくりして、シャツのボタンを何個か外して、スカートを短くして、髪を結って上にあげる。
目の前には白黒のキャンバス。
その向こうに本物の彼。
視界の端に映った彼を見ると、唖然として私を見てた。
「ん?何、どうかした?」
「え…イヤ、なんか……アズサって、人変わるな」
「あぁ~…良く言われる」
色塗るときは人が変わるらしい。
私の手には既に黒い絵の具が付いた筆。
……ちゃんと教室で挨拶してきてんの?
美術室の中に入って私は準備を始める。
いつもは一人のが楽だから一人で作業するけど、別にアイハラソウタがいて嫌な気はしない。
むしろいつもより楽。
普段は全く着崩していない制服を。
腕まくりして、シャツのボタンを何個か外して、スカートを短くして、髪を結って上にあげる。
目の前には白黒のキャンバス。
その向こうに本物の彼。
視界の端に映った彼を見ると、唖然として私を見てた。
「ん?何、どうかした?」
「え…イヤ、なんか……アズサって、人変わるな」
「あぁ~…良く言われる」
色塗るときは人が変わるらしい。
私の手には既に黒い絵の具が付いた筆。