キミワタシ
既に冬の中旬の今。

高校3年の私は卒業まで残りわずか。

授業が終わると先生に手招きされた。

今終わったばかりの授業は数学で、担当の先生は美術部の顧問。

「ヒナサワさん。卒業ももうすぐだけど、今度のコンクールには出品するんでしょう?」

近づくとそう訊ねてきた。

もとから出すつもりでいた私は、迷うことなく「はい」と頷いた。

私はほとんど推薦が決まってたし、高校生活最後の思い出も作りたかったし。

そう。高校生活最後の思い出………。


「そう。良かったわ。あっ、話はそれだけよ。期待してるわね」

ほっとして先生が立ち去る。


私は一応。もう、描くものを決めてある。

あとは行動するだけ……。
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