キミワタシ
ほんの少しの優越感。

だって…いつも私のが遅いし…。

美術室の扉の鍵を開けようとした時、バタバタと廊下を走る音がした。

「ごめん!!終わんの遅かったっ」

アイハラソウタが息を乱しながら壁に片手をついた。

「お疲れ様。別にいいよ、気にしてない。むしろお礼言いたいくらい」

初めて勝ったし。

まぁ、もともと勝負なんてしてないんだけど。

でも、あの長い話の後にまだ担任の長い話があるなんて…憂鬱だね。

私のクラスはほとんど何もなく終わったし。

鍵を開けようとして、扉に手をかけた時気付いた。

あ…鍵開いてる…。今日は美術部いるんだ。

私が使ってるこの美術室は二つある美術室のうちの一つで、普段美術部はもう一つのほうを使ってる。

扉を開けると案の定、中には美術部員たちがいた。

私の後ろから顔を出したアイハラソウタはそれを見て固まってる。

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