キミワタシ
帰り道。

なぜか無言で歩いてる私たち。

しかもまた視線を感じる。

…昨日よりひどい気がするんだけど……。

やっぱ私のこの格好がいけない?

突き刺すような痛い視線ではないけど、でも、流石にちょっとキツイ…。

隣にいる彼は全く気にしてない、っていうか気付いてないみたいだけど。

図書館が見えてきたあたりでやっと少なくなった視線に、私は安堵の溜息を吐いた。

「じゃ、いままでありがと。バスケ頑張ってね」

図書館の前でそう言って、彼に背を向けて歩き出そうとしたら腕を掴まれた。

「何?」

「家まで送ってく」

「別にいいよ。方向違うでしょ?」

彼とは家の方向が違う。

それに、私の家はここからそんなに離れてるわけでもない。

「いいから」

いつも見てる無邪気な笑顔。
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