キミワタシ
「アレ、迷惑?」

「……来てくれたら嬉しい」

私に向けられる無邪気な笑顔。

その合間に、たまに見せる真剣な瞳。


その瞳に惹かれた。

すごく気になってた。

「あ、俺そろそろ行かねェと…」

時計に目を向けた彼。

「ん、行っていいよ?結構下書き描けたし」

「じゃあ、また明日!」

彼が教室を出てグランドに走って向かうのを私は見てた。

……って片づけないと…



道具を全部片付け終わってから気付いたこと。

……鞄教室だ…。

取りにいかないと。

ハァ…

立ち上がって、美術室の戸締りをした私の足は教室に向かった。
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