優しいKISS



その日、あたしと裕翔くんは一緒に帰った。

裕翔くんが、立ち止まってあたしに言った。


「俺、北海道に転校することになった。」

いきなりすぎてびっくりした。

「明後日引っ越すから。」

明後日?なんでそんなに早いの??
もっと裕翔くんと一緒にいたい。

北海道なんて、遠過ぎるよ。


『早いんだね、』

「うん…」

『あたしたちってどーなるの?』

「…別れよう?…」

『嫌だよ…』

「そんなこと言ってもさ…」

『わかってるけど!』

「…ってかさ、俺前から好きぢゃなかったんだよね。」

『え?……』

「お前のこと!好きぢゃねぇーの」

『…なんで?なんでなの?ひどい!なんで付き合ったの!』

「知らねーよ。ぢゃねー!」

『……さようなら!さいやく!』


…好きだった。大好きだったのに。
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