ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
秘密のlesson
ひらり ひらり
はら はら はら
……
まるで。
雪のように舞い落ちる、一面の桜吹雪の中に、彼は両手を広げて立っていた。
「……待って。
美鈴(みすず)は、どこにも行かないで」
そう。
わたしに呟く声は、ただ言葉を連ねているのではなく。
とても優しい、甘い声で、歌を歌っているように聞こえる。
そして。
見上げれば、そこに。
ほかの人が着たならば、笑えるほどキザな白いスーツを完璧に着こなした。
息をのむほどに、綺麗な顔があった。
彫刻か、絵画のように美しく。
男だ、と言われて初めて、ああそうか、と納得する中性的で整った顔だった。
その顔が、今にも泣き出しそうに曇り……
切なげに、言葉を紡ぐ。
「美鈴、愛してる。
心から、何にも代えられないほど、君を愛しいと思っている。
だから、もう。
美鈴だけを抱きしめる、と誓った。
僕のこの腕から、逃げて行かないでくれ……!」