ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 なによっ!

 監督さんでもないのに、偉そうに!

 しかも、手ほどきって、何を教えてくれる気なのよっ!

 こんな綺麗なだけの、失礼な俺様男!!

 誰が、惚れるって言うのよっ!!!

 失敗したら、また意地悪なコト言うに決まってるし……!

 ひ……ん。

 言いたいこと、一杯あるけど、言えない~~

 泣きそうな気分で、黙っていれば。

 頼みの綱の監督さんまで二つ返事で、頷いちゃった……!

 どーして、監督よりも、刹那の方が偉いわけ!

 なんだか、すごい、ショック。

 地球の裏側まで落ち込みそうなわたしの気分を、しっかり無視して。

 監督さんは、刹那に、わたしの教育係を頼むなんて、本当に言ってるし。

 刹那の方は、今日初めて。

 演技じゃない笑顔をちらっと見せて言った。

「監督、コイツが台本の暗記終えるまで、別のシーンを撮ってようぜ?
 俺、今、思いっきり身体を動かす殺陣(たて)をしたい気分なんだ。
 確か、このセットでそんなシーンがあったよな?」

 


 

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