パパは同級生
彩は、歩きながらそういえばさっき「あやさん」って呼ばれた。男に名前で呼ばれたのは、何年ぶりだろう?こんな若い子と何を話せばいいのだろう?と考えていた。

店に着くと店員がテーブルへと案内した。

「注文が決まりましたらお呼びください。」

そう言って水とおしぼりを置いていった。

啓太と彩は迎え合わせてテーブルに座るとメニューを見て

「私、ビールいただいていい?」

彩が言うと、

「どうぞ!僕はオレンジジジュース」

「じゃ、お肉は適当に頼むわね」

そう言うとテーブルの上の呼び鈴を押した。

「そういえば名前聞いてなかったわね?」

彩は思い出したように喋り出した。

「山本啓太と言います。啓太のけいは拝啓の啓です。」
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