パパは同級生
「どこに行くの?」

彩は、ちょっと不安になって聞いた。

「僕の部屋でしばらく休んで帰ってください。」

啓太は純粋にそう思っただけでまったく下心はなかった。

「それは、だめよ!」

彩は、酔っていてもまだ自分が警官だということは忘れていない。

「このまま帰すわけにはいきませんから」

啓太は、半ば強引に自分の部屋へ彩を連れて帰った。

啓太の部屋は、歩いて20分くらいのところにあった。ワンルームだがとても機能的に作られているし、部屋の中はきれいに整理整頓されている。もちろん家賃、学費、生活費すべて親父が払っているのだが…

ソファーに彩を座らせた。

「ごめんねぇ迷惑かけちゃって」

彩は、自分の半分も歳のいかない男に迷惑かけてすまないと心から思った。

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