パパは同級生
「大丈夫?」

女が座り込んでいる啓太に右手を差し出した。

啓太は女の手を恥ずかし気に掴むとゆっくりと立ち上がった。

「ありがとうございます。」

啓太はそう言って軽くお辞儀をした。

「一人で帰れる?」

と女が尋ねる

「はぁはい!」

啓太の胸の中は、今まで経験したことのない熱い感覚で放心状態だった。

「どうお礼をしたらいいのか…?」

と言い掛けた

「お礼なんかいいよ」

と名刺を取り出して渡した。

「なんかあったらいつでも相談にのるよ!じゃ気を付けて帰ってね」

そう言って立ち去った。
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