☆夢色の星たち☆〜white,bonds〜
「!」


急いで、病室に
他の医師が心臓マッサージを行なっていた


「変わります!よし君!よし君!ダメ!まだ逝っちゃダメ!夢叶えないと!よし君」


家族の号泣も聞こえないくらいに、ティアラは叫びながら心臓マッサージを続ける


「必ず、救ってみせる!こんなに早く夢を失しなわさない!」


心にも叫びながら
髪を振り乱し


「お願い!戻ってきて、よし君!勉!この子を救って」


「ティアラ先生!電気いきます、下がってください!」


二度、三度の心臓電気ショックにも関わらず………


「よし君!」


「ティアラ先生、ティアラ先生、もう……」


「…嘘よ……こんなの嘘よ……どうして、どうして」

ティアラは家族が居る事を忘れ、医師としての立場も忘れ、そこに崩れた


「ティアラ先生、御家族に……」


何も言えないティアラを見て、他の医師が、時刻を伝えた


「ティアラ先生、本当にありがとうございます、よしは、よしは・・・」


よしの母親は気丈を振る舞うが、息子を抱きしめ、涙が枯れるまで泣いていた


ティアラにとって、一つの夢色はなくなった
大切な命を守れなかった


「どうして……救えないの……どうして」
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