☆夢色の星たち☆〜white,bonds〜
「勉先生、昨日、診ていた患者さんに、咽頭部に小さな腫瘍が触診で、わかったんだよ……まだ悪性とは今の段階では、ここではわからないんだがね」


「でっ、その患者とは…?」


「ん〜〜〜あった。名簿によると、メルン、エドワンズという患者さんだな」


「メルン……ティアラの叔父さん……」


「あぁ、そうだったな、あの子の叔父さんだったな」

「で、どうするんですか…治療は?」


「残念だが、それが癌であっても、ここでは……そうでない事を願うしかないだろう」


「……私たちは医者なんですよ!癌であるか疑いがあるなら調べて、一人でも患者を助けるのが私たちじゃないんですか!」


「君の言う事は、もっともだが……仕方がないんだよ…医者であっても助けられない命もあるんだよ…」


「助けられない命なんかない………ないんだ……」


勉には、医者になる意味があった
それは、そう、ティアラと同じに、幼くして母を亡くしていたからだった
< 13 / 108 >

この作品をシェア

pagetop