VS~Honey~
晴紀はソファーに座ってテレビを見ていた。
そしてチラッと私を見て、コーヒーをすする。
「おぅ」
それだけかい。いいけどね。
私も何か食べようと冷蔵庫を漁る。
昨日分かったのは、ハウスキーパーさんが数日の食事を用意してくれていたこと。
そして私の帰国をきに、もうここには来ないってことだ。
つまり、自分のことは自分でしろってことだろう。
まぁ、もう高校生だし当然だろう。
「……その制服、風間?」
コーヒーを入れているとおもむろに声をかけられた。
「そうだけど?」
「ふぅ~ん……」
晴紀はそう言ってコーヒーを持って階段を上がっていく。
何!?
さっさと部屋戻っちゃったし。
何か変だった?
晴紀の態度に少しムッとしながらも、そういえばと思い返す。
昨日はあれから出かけてたみたいだったな。
バイトでもしてるのかな。
学校は? 高校生だよね。行ってないのかな。
ま、いいや。
あまり詮索するのはやめよう。
ヤツはただの同居人だ。
家族でもないのだから、私に迷惑がかからなければ何をしていても関係ない。
うんうんと頷く。
さぁ、私は職員室にも行かなきゃいけないし、さっさと行こう。