VS~Honey~
勢い良く玄関を開け、固まった。
「女の子がいる」
「マジだわ、誰? 君は」
玄関を開けたそこに立っていたのは、グレーの瞳のハーフのような顔立ちの男の人と、肩まであるパーマがかった黒髪長髪の男の人が立っていた。
二人の男性は驚愕と好奇心の瞳で見てくる。
あれ、この人たち。
私は二人に見覚えがあった。
「遅かったみたいだよ、鉄ちゃん」
いつの間にか後ろには晴紀の姿があり、諦めたような表情でため息をついた。
「え? まさか?」
「うん。その通り」
晴紀は私の表情から言いたいことを読んだ。
じゃぁ、やっぱりこの二人は。
「Marsのメンバーだ」
晴紀がそう告げると、長髪の男はズイズイと玄関内に入り、ニヤニヤしてくる。
「どうして女の子がここにいるのか説明してもらおうかな~」
長髪の男は好奇心旺盛な瞳で私を見回した。
その不躾な瞳に戸惑っていると、晴紀は私の肩を掴み、そっと家のなかに押し戻す。
そして玄関の二人にも中に入るよう伝えた。
「とりあえず、二人とも入って」
頭上からは晴紀の小さいため息が聞こえた。