VS~Honey~
それに龍太郎はニヤリといやらしい笑みを浮かべる。
「晴紀、お前女の子と住んでたのかよ~! やるなぁ」
「違くて。大家の娘なんだよ」
「そうなのか? なら教えてくれたっていいだろう!」
「龍太郎くん、いちいち騒ぐでしょ!」
龍太郎の拗ねたような口調に呆れながら言い返す。
そこに鉄平や陸も加わり言いたい放題だ。
俺は深くため息をついて項垂れる、
そしてふっ、と横を見ふとレオが美紗に話かけていた。
「ねぇ。相川さんは晴紀と同じクラス?」
「はい」
「あ、なるほど」
レオは納得したように微笑んだ。
そしてちらっと俺を見て、口パクで“このこなんだね”と理解したようだった。
本当に勘が鋭い。
まぁ、この前レオに相談したばかりだからな。
それに美紗が好きだとレオが気付かせてくれた。
「それで? 龍太郎くんとレオは何しに来たの?」
陸は龍太郎にいじられたあとのボサボサな髪を手櫛で整えながら二人を見た。
鉄平もそれに頷く。
「そうだよ。二人はユニットの曲決まったのか?」
「それが鉄平、聞いてくれよ~。なかなか決まらなくてよ~」
「レオん家でやってたのか?」
「うん。でも龍太郎くんが飽きたって。晴紀んとこ行って邪魔するって」
鉄平の問いにレオが答えると龍太郎は悪びれることなく豪快に笑った。
この男はっ。