VS~Honey~

さらに龍太郎はからかうような口調で言った。


「晴紀は何気に独占欲強いからね~」


それには流石にレオと鉄平がたしなめるように声をかける。


「龍太郎くん」

「龍太郎」


二人の声かけは俺を気遣うような響きをしていた。
俺は小さくため息をつく。


「別にいいよ。その通りだから」


自分でもそこはわかっている。
アッサリと認めると全員がキョトンとした表情になった。
逆に皆の表情怖いんですけど。


「うわ、晴紀が認めた」


陸が唖然とつぶやく。

そんな驚くことか?

すると鉄平は意外そうに言った。


「え? いつ気が付いたんだろう?」


それは俺が美紗を好きだということだろうか?

今度は俺がキョトンとする。


「いや、鉄平。俺はこいつ一人では気が付かないと思うぞ~。おい、晴紀! 誰が教えてくれたんだい?」


龍太郎の言葉に有無を言わせないものを感じた。


「レオ」


俺はそう言ってちらっとレオを見る。

レオは“よかったの?”といった表情で俺を見るが、遅かれ早かれメンバーにはばれると思ってた。


「てか、お前らは気が付いてたんだろ。俺の気持ち」


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